コラム:孫子に学ぶ営業の鉄則-2

 

前回は、コラム:孫子に学ぶ営業の鉄則-1(前編)ということで、

彼を知り己を知れば、百戦して殆うからず

という孫子の名言の中でも最も有名であろう一文を用いて、営業担当が高い業績を継続的にあげていくために「自社・競合の商材について知る」が、いかに大事な事であるかということについて解説しました。

今回は「では何からどうすれば良いのか?「を3つのポイントを解説していきます。

1.自社商材の特徴
2.競合商材の特徴
3.自社商材と競合商材の違いと差


1.自社商材の特徴

まず自社商材の特徴ですが、営業担当数名に集まってもらい「主力商材Aの代表的な特徴を上げてください」とリクエストした時、特徴の3~5つが各営業担当から立て続けにあげられるかというと、業績に苦戦している組織ほど、営業担当からのレスポンスは悪いという事実があります。ちなみに、商材がモノではなく、サービス、特にそれが一品一様な類(受託システム開発など)であった場合は、商材を「自社」と設定すればOKです。

話を戻しましょう。

先にあげた自社商材の特徴をサラッと言えない営業担当も、もちろん、わかっていないわけではありませんが「何から優先的に伝えるべきか」が凄く曖昧なのです。つまり自社の主力商材の推すべき特徴の強弱が正しく理解できていない。あと、よくあるのは自分の意見に自信が無いのか、やたら同席した他の人の雰囲気を観る。営業担当として、それが良いのか悪いのかは言うまでもありません。少なくとも、多少のずれがあっても3~5つの特徴を矢継ぎ早に口にできるほうがマシです。何かしらでもさっとあげることが出来るというのは、本人の中では伝えるべき商材の特徴について強弱がはっきりできているからですから。もちろん、お客様に合わせて伝える特徴が違うだろうという言い分はわかりますが、まずは特定の対象を無しとしたオープンな状態での特徴ピックアップは基礎ですから、まずはそこの話しとして考えてください。

Thumbnail8もう1つ、業績に苦戦する組織ほどありがちな傾向が、複数の営業担当から回答される商材の特徴がバラバラというもの。営業担当数名に主力商材の特徴を上げてもらった時に、回答がバラバラという状態は決して良いとは言えません。お客様の立場で考えてください、そんな会社に対してどういう印象を受けるか。せめて、順不同でも、代表的特徴3つくらいは誰に聴いても同じ回答があるべき基本です。そもそもこの程度の数の特徴は、カタログや営業資料の主要部分に記載されているはずなのです。営業担当に商材の代表的特徴を聴いたときに、カタログに大きく上げられているものを差し置いて他の特徴があげられたら「え?じゃ、このカタログに大きく謳われている特徴は何?」と思いますよね?

ものは試しです、営業担当数名に別々でヒアリングしてみると良いでしょう。
「主力商材Aの代表的特徴を3つ言ってみて」と。
(是非、自社の特徴についても同じ質問をしてみてください)

まず営業担当は、主力商材の特徴については、組織の統一理解として共有されている状態にすること。そして、今回は言及しませんが、それを「適切に」お客様に伝えられるスキル、トークが身についている事は「自社商材について、正しく知っている(理解している)」と必ずセットでおさえるようにしましょう。営業は、知識があってもそれを正しく相手に伝えることが出来なければ意味がありません。


2.競合商材の特徴

これは、先にあげた「1.自社商材の特徴」と同じことを「競合する商材についても正しく知っている(理解している)」ようにしましょうということです。相手を適切に知ることで「商談において勝負するポイント、注意するポイントがどこなのか」が、初めてより正確に理解出来ます。競合した商談で「勝てるプレゼン」を組み立てる為にはこの情報は不可欠なのですが、ここまで読んで頂いた方にはその理由について改めて説明する必要はありませんよね?

競合の商材カタログで強調されているセールスポイントは何か。できれば競合の営業担当が、その商材についてどういうプレゼンをしているかということも、お客様にヒアリングして把握しておきたいところですね。競合の営業担当にセンスが無くて、勿体無いプレゼンをしていると知っていれば商談で競合した時にこちらとしては心理的にも有利ですからね。

最後の3.自社商材と競合商材の違いと差については、コラム:孫子に学ぶ営業の鉄則-3(後編)で解説させていただきます!一連のコラムの完結編なので、ぜひ、最後までご一読ください!


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