コラム:営業が売るものとは-1

 
営業職は【商品やサービス】などを売ることが仕事です。
しかし、営業が売るものは【商品やサービス】だけなのでしょうか。

答えは[NO]です。

営業が売るものは【会社】【自分】【商品やサービス】の3つです。

【商品やサービス】については言うまでもない話なのですが、残りの2つ【会社】【自分】については、どうでしょう、ピンときますか?【商品やサービス】は、世界にその商品しかないものだったり、他のものでは、顧客の要望に答えられないという場合であれば、【商品やサービス】を語れてプレゼンできるだけでもいいのですが今の世の中、なかなかそれだけ特別なものというのはなくて、多くの場合は競合が存在し、彼らとの競争に競り勝って、自社の紹介する【商品やサービス】を顧客に選んでもらわなくてはいけません

この競合との競り合いの中で、顧客は【商品やサービス】の優劣だけで判断しているかというと違いますよね。これは、営業の実情を知っている方であれば誰しもおわかりのように、商談では【会社】や【営業担当】も含めて判断をされます。だから、営業は【会社】【自分】【商品やサービス】の3つを、売らなくてはいけないということになるわけです。

「おたくの会社だから取引をしましょう」
「担当が君だから契約するよ」

こういう顧客からのお言葉というのは【商品やサービス】を褒められる以上に、営業冥利に尽きる嬉しい一言で、皆さんもきっと経験があると思いますが、これは、まさに【会社】【自分】を売り込めているということに他なりません。つまり、営業が売るものは【商品やサービス】だけではないということは、多くの営業がじつは知っていることなのです。

ところが、営業力の強化をしなくてはいけない!営業マンのセールストークを練り直そう!という話になった時、それは殆どの場合、自社の扱う【商品やサービス】について、どのように語るかという部分にばかりスポットがあたります。事実、営業力強化コンサルで指導を始める時に、「あなたの会社が他社とどう違うのか言えますか?」というこちらの質問に及第点の回答をスラスラと提示できる営業マンは、案外少ないのが現状で、役職付きの上司の立場の人ですら怪しいことが多々あります。

もちろん、全く答えられないということではなく、当たり障りないポイントをあげてくれることもあるのですが、「他社とどう違うか?」という部分が非常に弱いのです。「ご要望にはスピード対応させていただきます」「顧客視点にたった提案をモットーにしています」会社に関するありがちなセールストークはこういう感じですが、これは、イマドキどこの会社でも言うようなことであり、「違い」は全く感じられません。

そもそも、これを自社の強みというセールストーク、逆に、お客様の立場で聞いてみたらどう感じるでしょう。

「そんなの、当たり前でしょ・・・・」
「いや、そんなのどこだって言いますよ」

と感じるのではないでしょうか。

ここまで読んで頂いて「自分でも自信がない」「自分の部下はできそうにない」という皆さんは、早々に手を打たれたほうがいいですね。もしかしたら、明日の商談で【会社】の売り込みで競合に出し抜かれて、契約を持っていかれるかもしれません。それが大口に関するものであれば目も当てられませんが、営業の日常というのはそういうものだということは上司の皆さんならよくご存知だと思います。

では、具体的に【会社】【自分】を売るというのはどう進めていけばよいのかは、続きのコラムにて解説していきます。

「営業力強化:営業が売るものとは-2」
「営業力強化:営業が売るものとは-3」

営業力チェックシート2