コラム:オススメの本カテゴリー

 
今回は、若い人材育成の勉強の為に本を手に取る時の、オススメの本カテゴリーについて少々。

今に始まったことでありませんが、書店のマネジメント書籍関連には、著名な方々のものから少しキャッチーな本まで「人材育成」に関する本が所狭しと並んでいます。私も、足を運ぶ頻度の高い一角なのですが、たくさんありすぎてどれを手に取るか迷いますね。

これはいろいろなところで既にお話もさせて頂いている事ではあるのですが、私は実践に役立つような「人材育成」の参考にできる本を探す時にもう1か所、全く別のコーナーをCheckします。

それは「スポーツ関連書籍」のコーナー。

そこで探すのは、大学や高校の監督、いわゆる「教育者監督」が書いた本なのです。スポーツ指導者によるビジネス書として有名どころである、サッカー女子日本代表の佐々木監督や野村さん、最近だと青山学院大学の原監督のような方の書籍は、ビジネス書にカテゴライズされて書店でも並べられていますが、こういった若年層指導者の本は多くの場合、ビジネス書では並ぶことはなく「スポーツ関連書籍」のコーナーにあります。

何故、私がこれらの若年層指導者の本を手に取るのか?

理由はシンプルです。若い人材指導を想定した場合、マネジメント対象となる20代前半~中盤の世代に近い層を育成指導し、選手としてだけではなく、人としての育成にも取り組んでいる点で、プロの世界の著名な監督よりも、若年層の指導者の方が状況がマッチするからです。

スポーツの世界では名門・強豪と呼ばれる学校がありますが、どんな学校も戦力の主たる上級生は1年スパンで入れ替ってしまいます。例え、良い選手が入学してくる率が高いとはいえ、良い選手が集まれば強いチームができるわけでもありません。そんな条件のなかで

  • 毎年毎年違う顔ぶれながら結果を出し続けられるのは何故か?
  • 入学時は、目立たなかった選手から大化けする原石をどう見つけ出すのか?
  • 苦しい練習を乗り越えさせる、モチベート術はどこにあるのか?
  • 若い選手たちは、何故、監督の言葉に耳を傾け、従うのか?
  • 教師という本業の傍らの部活動でどう時間を使っているのか?
  • 卒業し、何年たっても、慕われる監督は何が違うのか?

こんなことを達成し続けてきたノウハウは非常に参考になるエッセンスがたくさん詰まっています。

なかでも、特にオススメはチームスポーツ。個人競技の場合、選手のパーソナリティや能力が結果に大きく影響するので、「若い人材育成」のヒントを得るにはチームスポーツの方がより参考になります。最近は、サッカーの若年層指導者の本が何冊も出ているので、是非一度、一冊手に取って読んでみられることをオススメします。