コラム:面接で使える質問-1

 
先日、クライアント社長様と話をしていて「面接での見極めというのが本当に難しい」という話題があったのですが、これは最近人材採用を進めている企業の方と話していると良く話題にあがる課題です。その原因の1つに、面接を受ける側に関するテクニック的な情報は世の中に多く出回っているにも関わらず、企業側いわゆる面接をする側のテクニックや【面接で使える質問】のようなノウハウ情報というのは相対的に見て少ない為に、面接の場で応募者の方が上手く立ち回ってしまっているようです。結果、企業側としては期待して採用したのにいざ入社して仕事についてもらうと、その期待を裏切られてしまうという面接時の印象と入社後の実態ギャップの発生という問題につながるのですが、これは珍しい話ではありません。

そこで、今回から数回にわたって、先に書いたようなお困り事を相談されたときに、私から紹介している私自身が実際に使っていた【面接で使える質問】(特に中途採用面接で)を紹介していきます。もしかしたら、既にその質問は使っているというものもあるかもしれませんが、1つでも参考にして頂けるものがあればと嬉しいですね。ちなみに、既にいくつかの質問フレーズは以下の弊社人気コラムでもご紹介済みなので、そちらもご覧いただければと思いますが、

「営業中途面接で何を観るか-4」 面接で使える質問その1
「営業中途面接で何を観るか-5」 面接で使える質問その2

今回はその他の質問カードのご紹介をさせていただきます。では、早速、始めていきましょう。

◆面接の冒頭に応募者へ伝える言葉

これは【面接で使える質問】そのものではありませんが、私が中途採用面接でよく使っていたフレーズで、面接の一番最初にかんたんな挨拶の後に応募者へお伝えするとよいものです。

「まず最初にお伝えしておきますと、今回の面接では一般的な面接での模範解答のようなやりとりはこちらとしては一切求めてないので、そういった回答は不要だと思ってください。定型フレーズのやりとりでは、あなたの本当の姿というのがこちらにも見えずらいので、こちらからの質問に対してご自身の言葉でお答えください。」

面接をしていて応募者の見極めに困るのが、通り一辺のマニュアル回答、当たり障りない模範解答が多いケースです。そこに対して、冒頭ではっきりと<NO>というこちらの意思表示をしてしまうわけです。元より自分の言葉で話すつもりの応募者にとっては何の影響もない言葉ですが、ある程度面接テクニックやマニュアル回答を使って乗り切ろうとしている応募者にとっては、思った以上の牽制効果を得られます。この際、あまりに動揺が観てとれる場合は、助け舟として「緊張もされているでしょうから、この場では流暢にとか、上手に話せることは重視しません。とにかく、多少拙くてもご自身の言葉でお話しいただければ結構です」と伝えてあげると良いでしょう。

この前置きを受けても、マニュアル的な回答が多い場合は、相手の意図を汲み取るという面に課題がありそうですし、あまりにも崩れてしまう場合も多様な人と関わりながらいろいな局面に対応するという基本的なビジネススキルに不安があるという判断も可能です。

冒頭の言葉を受けて、面接の緊張を考慮しながらも自分の言葉でやりとりをして頂ける感触が得られれば、あとは自社の通常通りの面接用質問を重ねても、いつもよりも応募者の個性が見える面接やりとりができるはずです。場合によっては「今頂いた回答は、冒頭にお伝えした模範回答に少し寄っている印象がありますので、もう少しご自身のお言葉でお答えいただけますでしょうか」というフレーズも使えますよ。

次回から具体的な【面接で使える質問】の紹介を始めていきます。

【新シリーズ】面接で使える質問
【面接で使える質問-2】 強みは何ですかで終わらせない質問
【面接で使える質問-3】 あなたは何を期待できますか?

営業中途面接で何を観るか
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「営業中途面接で何を観るか-1」 応募資料のどこ観るのか
「営業中途面接で何を観るか-2」 営業実績をどう観るのか
「営業中途面接で何を観るか-3」 組織貢献をどう観るか
「営業中途面接で何を観るか-4」 面接で使える質問その1
「営業中途面接で何を観るか-5」 面接で使える質問その2
「営業中途面接で何を観るか+α」 連続達成実績の行間を読む