コラム:自分で自分を評価しない

 
若い世代を中心に、常に一定数存在する働く上での不満が

「自分は頑張っているが、上司が自分を評価してくれない」

というものです。一生懸命頑張っていても、それを評価してもらなければ、残念な気持ちになる事は仕方ないなと思うのですが、一方でこういった話をしている人にある程度共通しているのは、<確かに本人は頑張ってはいるけれど、その「頑張っている」「やっている」の評価基準が自己評価や周囲との比較のみによっている>ということです。冒頭のような不満をこぼす人に「君を実際に評価する人は上司だと思うけど、その人達が評価する基準、レベルってちゃんと握れているのかな?」と聞くと、ほとんどが「聞いていない」「はっきりとわからない」と答えます。つまり、求められていることを把握せずに、自分のできる範囲や評価基準の憶測を元に頑張って、それで評価してもらえないと嘆いている訳です。

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ところが、少し視点を変えるために「もし自分が上司の立場だとして、確かに頑張っているけどやって欲しい事、必要なレベル感の仕事には物足りない部下を十分に評価すると思うか?」と尋ねると、一様に「それは評価できないかな・・・」と答えます。ここには、求めることや評価基準をしっかりと部下と握れていない上司の問題と、自分目線で自己評価をしてしまう部下の問題という上司と部下双方の問題が存在します。

この行き違いを解消するためにも、自分は正当に評価してもらえてないと感じている人は一度自分に求められることや、評価されるレベル感を上司に聞いてみるといいでしょう。また、上司の方は部下と自分の認識にずれが無いかは定期的に話をすることをお勧めします。部下が頑張っているにもかかわらず、頑張り甲斐を感じられていなかったり、優先度が違った方向へパワーを注いでしまっているのは勿体ない話で、組織としての生産性向上にも不可欠な課題意識でもあります。