コラム:「上司」と「先輩」は何が違うのか-2

 
前回こちらのコラム<コラム:「上司」と「先輩」は何が違うのか-1>を掲載したのですが、想像以上に毎月コンスタントなアクセスがあり、今月に至っては過去3カ月平均の130%程度にアクセス数が伸びています。。
年末年始に皆さんいろいろ考えて、今年に向けてのヒントを探されているのでしょうか・・・

さて、前回は「上司と先輩は何が違うのか-1」というタイトルにしていましたので、今回は続きを書いてみたいと思います。コラムにアクセスして頂いている人が入力しているベースキーワードは「上司」「先輩」なのですが、基本的には「何が違うのか?」という疑問に対する何らかの答えやヒントを求めておられるのではないかと思います。前回は、1つの答えとして「部下の能力を引き出すのが上司」と書いたわけですが、今回は別の角度から考えてみましょう。

「上司と先輩は何が違うのか?」という疑問に対する答えを求めるに至った背景を考えてみると「自分の働く環境でそれを疑問に感じることがあるが、答えが得られる状態にない」ということが推測できます。いかがですか?これは今このコラムを読んで頂いている方も結構思い当たることがあるのではないでしょうか。

では、この疑問に対する答えは何か?

それは「組織によって違う」です。

少し突き放したような答えになってしまいますが、上司と呼ばれるからには、何らかの役職がついている人が対象となると思います。しかし、同じ課長という役職であったとしても、そこで求められる役割/仕事は組織によってそれぞれ違ってきます。ある会社では係長に求める役割/仕事が、他の会社では課長に求められるという事はいくらでもあるでしょう。会社の規模によっては、部署によっても役職に求める役割/仕事に違いが存在することも珍しくありません。ですから、外部の人間が明確に「違いはこうです」とは言えない部分は確実に存在します。
一方で、見方を変えると、この場合「役職によって求められる役割/仕事が、組織内で明確に定義付、周知されていない」という問題が浮き上がってきます。これは、組織として良い状態ではありません。若い世代が上を目指そうにも、何をすれば自分に昇進の資格を与えてもらえるのかがわからなければ、キャリアプランをイメージすることも、それに相応しい行動を実践することも難しいでしょうし、基準が不明瞭な状態での評価は、不公平感につながります。「あの人は、○○さんに気に入られているから上に上がったんじゃないか・・・」といった憶測が飛び交うのもこういったところにも原因がありがちです。こういった状況は、メンバーのモチベーションを不必要に下げてしまい、組織としてのパフォーマンスを最大化させる足枷になります。

この問題を解決するためには、どうしていけば良いか?

まずは、組織内における役職別の役割/仕事(レベル感も含めて)をしっかりとマトリクスとして整理し、現場に周知することから始めましょう。自社の現状を確認するためには、一度関係する役員・上司層で、部長、課長といった役職別に求めるべきと考えている役割/仕事を、それぞれで文章に起こして持ち寄り照らし合わせると良いでしょう。これが実施してみると、案外ぶれていたり、曖昧だったりするのですが、上司層の中で認識がずれている状態で部下にあるべきを求めることには無理があります。ですから、まずはそこを擦り合わせることから始めるという訳です。ここで大事なのは、こういった定義づけが組織内に存在することではなく、その一歩先の組織内で周知・理解されているかどうかという点なので、現場への下し方も注意してください。この役職別の役割/仕事の整理は、弊社が現場マネージャー育成の指導をする際にも序盤で取り組んで頂くのですが、次世代マネジメントを育成するためには、該当人材が目指すべき1ランク2ランク上の役職像がしっかりと定義されていることが重要になりますので、是非トライしてみてください。

一方、部下の立場にある人は、上司に自分の組織において「それぞれの役職で求められる役割/仕事がどう違うのか?」を、まずは率直に聞いてみることです。もしかしたら、曖昧な回答しかなかったり、聴く人によって違ってくることもあるかもしれませんが、この切り口についての答えはその組織の中に求めるしかありません。どんなに友人に相談しても、ネット検索をしてもそこには答えが無い以上、あなたが現在の組織でのキャリアアップを目指すのであれば、明確な答えを提示してくれるよう求めるしかありません。本来は、組織として明確化されていることが望ましいのですが、そうではない以上、誰かが問題定義をして改善を促していく必要があります。
ちなみに、この質問をする時は、いわゆる噛みつくようなアプローチにならないよう気を付けたほうが良いですね。上司によっては痛いところを突く質問になることもあり得る内容で、聴き方次第でマイナスの印象を与える可能性もあります。それよりは、自分は上を目指して頑張りたい。ついては、そのために役職に求められる役割/仕事を明確に知ることで、自分がこれから何をすべきかを考えたい。こんなアプローチの方が良いでしょう。

皆さんが、当事者視点で組織の中で上司と先輩の違いがはっきりとしてない状態が良いか悪いかをイメージし、それによってどんな問題が起こり得るかを考えて頂けば、この問題の重要性も改めて見えてくると思います。このコラムを読んで頂いたことを1つのキッカケとして組織の課題改善を進めて頂ければ嬉しいですね。

 

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