コラム:「上司」と「先輩」は何が違うのか-1

 
「上司」と「先輩」は何が違うのか——-

社内で次世代マネージャーを育てていきたいという経営者の方や、まだ経験の浅いマネージャーもしくはそれをを目指したい人によく質問するのが「上司と先輩の違いとは何でしょう?」ということです。

いきなり質問すると曖昧な答えが返ってくることが多いのですが、あり方としてどうなのか?や、状況によってどう違いを生むのか?は、当事者としてちゃんと理解できていなければ、言動も曖昧になってきます。そもそもで、少し仕事が出来る先輩との明確な違いを行動で示すことができていなければ、上司として部下からの信頼を得ることはできないですからね。

「それって、先輩でもできるよね。上司なら先輩とどこで違い出すの?」
マネジメントをしていた時、よくこの質問していましたが、これを常に意識し行動に反映させていた部下はマネージャーとしての成長が早かったのは間違いありません。
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さて、この「上司」と「先輩」は何が違うのかですが、大前提は<負うべき「責任」が違う>ことです。わかりやすいところでは、【自分以外の人の結果に対して負う責任の範囲や重さ】が、先輩という立場とはハッキリと違っているはずで、これが曖昧だったり、同じだったり、または部下から見て取るべき責任を取るっているとは思えないという意見があるようであればそれは組織運営として問題ありです。
そういった大前提があるとしたうえで、今回はもう少し踏み込んで、人材育成におけるその違いについて1つの側面から書いてみます。

人材育成アプローチの最も日常的なものは、若手に対して、ビジネスマンとしてのあり方や職種別の専門スキルなどを身につけさせるために「教える」ことであり、これも人材育成の大事な部分なのですが、ご存知のように「教える」については、先輩社員がその役割を担っている組織が多いのが現状でしょう。中には上司が直接教えているケースもありますが、それは人手が足りず仕方なくであったり、状況把握という理由ありきで、基本的には「教える」は、現場においては「先輩」の役割とされることが多く、それ故、人材育成における「教える」という場面では、上司と先輩の違いがなかなか見えにくいのです。例えば、教え方が巧かったり、高度なことを教えられれば上司足りえるのか?と言えば、経験があったり、少しレベルの高い先輩でもそれはできるということが多く、やはり違いを明確にしずらかったりします。

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では、どこで上司としての違いを生むべきなのか。もしくは生まなくてはいけないのか。

それは、部下の能力を「引き出す」ことです。現状の仕事のクオリティをより高いステージで発揮させることや、今はまだ発揮されていない能力やその可能性を部下に見出し、それが発揮できる状態へ導く。これこそが、本来、育成において上司がすべきことであり、上司と先輩の違いを生むポイントなのです。その為には、部下のポテンシャルを見抜く目利き能力も必要ですし、如何に引き出すかというノウハウもありますが、その難易度から見ても先輩という立ち位置の人間に求めるには荷が重すぎます。しかし、組織全体としての生産性、クオリティを上げていくためにも、社内人材が仕事の幅を広げ、ビジネススキルのステージを上げていくことを考えれば、本人の自己研鑚姿勢だけに頼る訳にもいきません。となると、誰かがその「引き出す」役を担わなくてはならず、先輩には少し重すぎることを考えれば、必然的にそれは上司の役割となる訳です。

この「引き出す」が、人材育成における上司の大事な役割であるということを前提にすると、自ずと部下の見方も変わるはずです。指導すべき課題点を観ることもさることながら、それ以上に部下の成長余地、まだ発揮されていないポテンシャルの可能性を探りだすような見方が必要になるということです。今まで、部下をそういった観点から見ることはしていなかったという方は、是非、トライしてみて下さい。ポイントは、適切なコミュニケーションと部下を観ることにあります。

余談ながら、日本語では教育と訳されている「education」ですが、その語源はラテン語「EDUCATUS」(能力を引き出す)にあるそうです。この意味を借りるなら、上司がすべきことは「Educate」と言うこともできますね。

今回の続きはこちら→「上司」と「先輩」は何が違うのか-2

 

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