コラム:新卒の残り3ヶ月にすべきこと

 
今年度、新卒入社があった企業では、当然ながら4月に入社した新卒社員たちは1年目の残すところ3ヶ月となりますが、上司の皆さんから見た今年の新卒社員の成長ぶりはいかがでしょうか?例年通り、例年以上などいろいろな感想があるかと思います。新卒社員当事者の皆さんは、ビジネスパーソン1年目はここまでいかがでしょうか?覚えることや未体験のことが目白押しで、とにかく大変だったという感想が多いのではないかと思います。

さて、ビジネスパーソン1年目の年が明けた1月というこの時期に、上司と新卒社員で是非実践をオススメしたい取り組みがあります。それは、1年目の集大成となる残り3ヶ月の過ごし方を相談して具体的に取り決めることです。

私は、マネジメント実務にある時、この初年度の年明けくらいのタイミングに新卒社員に対していつも問いかけていたことがあります。それは「春には後輩が入ってくるけど、このまま残り3ヶ月を過ごした後に自信を持って<先輩>として後輩を受け入れることができる?」ということです。会社が新卒採用をしている以上、入社して1年経てば望む望まないに関係なく組織の人員構成上は2年目の<先輩>となるのですが、1年目というのはとにかく自分のことで手一杯で、自分がきっちり1年後には<先輩>になるということがポッカリと意識から抜けていることが少なくありません。私が、先のような質問をするとほとんどの場合は「自信がありません」「このままではマズイです・・・」という回答が返ってきて、途端に焦り出すことも少なくありませんでした。若手ですから、上司からすればまでまだな面も当然ありますが、それでも組織としては次の春に迎える新しい若手の前に、1年を経て自信を得て頼もしくなった先輩の姿を見せてあげてもらいたいですし、本人たちもできることなら当然<先輩>としての自信を持って、まだ見ぬ後輩の前に立ちたいはずです。

上司と新人がお互いに希望するありたい姿になる為には、先の質問をした後に「では、もっと頑張れ!」というありきたりなハッパ掛けになるかもわからないような声を掛けるだけではいけません。それで頑張れるなら、とっくに自分で頑張っているはずです。

何をすれば良いか?

今の自分のどこがどうなれば、新しく迎える後輩の前に<先輩>として自信を持って立てるかを相談整理してみるのです。ポイントは自信が持てるレベルの話まですることです。また、自分で出来ることと人に教えることは別なので、2年目の先輩として新人に教えてあげて欲しいことについて、教えるイメージが持てるかも確認しておくと良いですね。

そして、整理したことについて、残り3ヶ月でどうすれば自信が持てるレベルに到達できるか?何をやり遂げれば自信が持てると思うか?を掘り下げて、取り組むべき具体的な行動を決めれば良いのです。そこでは9カ月たってもなかなか上手くいかず残された課題や、如何に時間を上手く使っていくかという話も出てくると思いますが、上司として一緒に考え目標とすべき事を決める。この過程はしっかりとサポートをしてあげてください。焦りと手詰まり感、やることの多さから若手が自分で考えるのはなかなか難しいはずです。ここで、しっかりとやるべきことを決めてそれが達成できた時は、組織として得るものはたくさんあります。ザッと上げるだけでも

・若手人材の成功体験と達成感
・そこから手にする自信
・1年目の手応えを持った若い人材の誕生
・新人を受け入れる組織に必要な頼りになる先輩の増加

そして、上司としての若手育成の成功体験と手応え。

いかがでしょう。どれも魅力的な成果だと思いませんか?

若手の初年度の成長カーブは個々でかなりばらつきますが、この取り組みをすると1年目の最後3ヶ月の成長追い込み度合いはかなり変わります。これは、実際にこの取り組みに対する多くの若手の頑張り、踏ん張りを観てきた実体験からして間違いありません。

是非、トライしてみてください!