コラム:部下とコンフォートゾーンから踏み出す-4

人材育成現場において、部下の成長のために以下にコンフォートゾーンから踏み出させるか?について取り上げた「コラム:部下とコンフォートゾーンから踏み出す」の個別内容です。

部下がコンフォートゾーンから踏み出せない理由
1-上司が部下にコンフォートゾーンから踏み出すことを求めていない
2-上司のフォローが不足している
3-挑戦に伴う失敗も許容されないと部下が感じている

3つ目の「挑戦に伴う失敗も許容されないと部下は感じている」のポイントは部下が感じているという部分です。本当にこの種の失敗を認めてもらえない組織も稀にありますが、これは人材育成を進める上で別の問題アリなのでさておきまして、多くの場合、挑戦しての失敗は上司も織り込み済みとして許容するつもりで見ているのにも関わらず、それが部下には伝わっていないというのがよくあるパターンです。若手向けの研修で「上司というのは新しいことへ挑戦した結果による失敗は想定内として受け入れてくれるものです」と伝えると若手層ほど驚いたり、どこかホッとした表情になったり、新しい発見をしたような反応を見せたりすることも珍しくありません。こういった上司と部下の認識違いという問題は、人材育成に苦戦する組織ではあらゆる場面で問題の原因となりがちですが、そのほとんどが適切なコミュニケーションの不足に起因していますので、まずは日頃から大事な事柄に対する認識を合わせるよう上司側が意識をしていくべきでしょう。また、口では「失敗してもいい」と言いながら実際にその状態になると叱責してしまう上司もいますし、上司の知らないところで悪気なく先輩や周囲が失敗を咎めたりということもあります。大事なことは組織の共通認識、雰囲気として日頃から挑戦による失敗は受け入れられるという状態を整えることです。Thumbnail46仕事に限らずなのかもしれませんが、昨今は失敗することを嫌う傾向があります。デキないことをやって失敗するのは周りの目も気になるし、無理することはないでしょうという空気ですね。日常生活においては、別段それも1つの選択だと思いますし良い悪いを論じる対象でもないと思いますが、こと仕事における成長に繋がる行動、選択判断という観点から見ると、この挑戦による失敗に腰が引けている状態は決して良い状態とは言えません。その為にも、コンフォートゾーンから踏み出した挑戦行動の結果としての失敗などは心配しなくても良いというスタンスを明確にしておきましょう。もちろん、本当に大問題が発生しないように事前に策を講じておくことは別の問題ですが、そこはここで言うまでもないと思います。

多くの人が常にコンフォートゾーンから一歩踏み出すような大小のアクションを実践できている組織は、上司は少し大変かもしれませんがそれでも全体的な組織の活気、熱量は高いはずです。そしてそれは、高い業績、成果を生み出せる組織の必要条件でもあると言えますので、是非、これらの雰囲気作りを意識してみてください。

部下がコンフォートゾーンから踏み出せない理由
1-上司が部下にコンフォートゾーンから踏み出すことを求めていない
2-上司のフォローが不足している
3-挑戦に伴う失敗も許容されないと部下が感じている