コラム:部下とコンフォートゾーンから踏み出す-1

 
最近の人材育成に関するセミナーで「コンフォートゾーン」というキーワードを使うことが多いのですが、ちょうどこの「コンフォートゾーン」を取り上げていた記事がありました。

「コンフォートゾーンとは、そして抜けだすには」
~Life Hacker

記事内では、この「コンフォートゾーン」というキーワードについて科学的視点から紹介されています。似たような意味ではありますが、より育成現場に置き換えて考えてもらうために私がセミナーで「コンフォートゾーン」というキーワードをあげる時は「出来る事の範囲」として使っています。出来る事の範囲内で仕事をしている状態を「コンフォートゾーンに留まっている」と表現しているのです。改めて考えてみれば多くの方に同意を頂けると思いますが、出来る事の範囲内で仕事をしているうちは、もしくは出来る事の範囲内で仕事をさせている状態では、適切な成長はなかなか難しいですね。もちろん慣れ親しんだ仕事も経験を重ねることで成熟していく部分もありますが、それでも今までは出来ていないことや未経験の事に挑戦することに比べれば成長幅は物足りないケースが多いでしょう。

紹介した記事内では、「コンフォートゾーン」の考え方について詳しくありますが、どうすれば抜け出せるかという部分は少しサラッと触れているだけなので、当コラムでは人材育成の観点からどうやって部下を「コンフォートゾーン」から踏み出して行かせるか?について取り上げてみます。

様々な組織で伸び悩んでいる人材の状況を観てみると、この「コンフォートゾーン」を踏み出した仕事に挑戦していない、もしくは少し踏み出してみたけどやめてしまったという状況が少なくありません。つまり、成長に必要な一歩を上手く踏み出せていないわけです。また、「コンフォートゾーン」から踏み出してはいるものの、間違った方に向かってしまっているということもありますね。こんな状況を分析してみると以下の様な原因の存在が見えてきます。

コンフォートゾーン

1-上司が部下にコンフォートゾーンから踏み出すことを求めていない
2-上司のフォローが不足している
3-挑戦に伴う失敗も許容されないと部下が感じている

ここでこの3つ全てに書いていきますと少しコラムが長くなってしまうので個別に分けて書いてみます。以下のリンクから該当項目についてのコラムをご覧ください。

1-上司が部下にコンフォートゾーンから踏み出すことを求めていない
2-上司のフォローが不足している
3-挑戦に伴う失敗も許容されないと部下が感じている

今回のコラムのタイトルは、あえて「部下と」というフレーズを使いました。上記の3つの要因に関するコラムをご覧頂ければおわかりいただけると思いますが、部下が仕事における「コンフォートゾーン」から踏み出すためには上司のサポート(手取り足取りではなくそれぞれに対して適切なという前提)が不可欠です。皆さんの部下の中には、失敗や周囲の目を気にせず自ら踏み出していける頼もしい人材もいるでしょうがそれは限られた人材であり、伸び悩んでいる部下の多くはなかなか「コンフォートゾーン」から踏み出す必要性を実感できていなかったり、必要性は感じつつも踏み出せず苦しんでいるはずなので、そこは上司がしっかりと見守り、サポートしていく必要性を上司自身が意識が必要です。もちろん、どのレベルでそれを上司実践していくのかは、部下のレベルに応じて様々ですから、日頃からよく部下を観ておくことも合わせて気に留めておきましょう。