コラム:商談の事前準備

 
商談は【事前準備で決まる】と言っても良いぐらい【商談の事前準備】というのは大事な事なんだ。

誰もがかつて指導をしてくれた上司や先輩に授けられたであろう王道的なアドバイスです。しかし、現実では、どうもいろいろな理由を自分で作って、ほどほどな 【商談の事前準備】 で出向くことを仕方ないとしている人が少なくありません。これは、指導する側としては決して軽く考えるわけにはいきません。

ここでメンバーと改めて考えてみます(思い出してみる?)。

 お客様は、何故、営業マンとの話に時間をとるのか?

それは、その商談時間が自社や自分に有益な何かをもらたす事に期待しているからであり、何にも得るものがないと思えば、商談時間は割かないはずです。つまり、お客様にとって営業マンとの商談時間は、 【将来的な利益に対して時間を投資してくれている】という見方ができます。何気ない、雑談一つとっても、忙しい中で営業マンと関わる時間を作る場合は、その関わりをもつことが将来的に何らかの価値がでると思っているはずです。

すぐに成果がなくても、その営業マンと情報交換することに価値があると考えている人もいます。相手がそんな将来的な価値を期待して自分に大事な時間を投資をしてくれているのに、その時間投資に対して、期待を裏切らない実感を提供する姿勢が無いようでは、いつか期待が失望に変わってしまいかねません。

しかし、冒頭に書いたようにそのお客様の投資してくれる時間に対して、しっかりと 【商談の事前準備 】をせずに出向くメンバーやそれを容認してしまっている上司が目につくのです。毎回、相手を満足させることは決して簡単なことではありませんが、それを成し遂げようとする姿勢や日頃の蓄積は案外簡単に透けて見えます。もちろん、その逆もしかりです。

いい加減な 【事前準備】 で商談に向かうということに、私は次のような事を感じます

 ・この程度の準備で相手を満足させられるだろうという慢心
 ・今回は、忙しいからこの程度の準備で勘弁してもらおうという無意識の甘え
 ・失敗しても次のチャンスはもらえるという慢心と甘えと仕事への無責任さ

お客様の役に立ちたいと日頃から口にしているメンバであれば、もし自分がお客様の立場だとして、営業マンにこんな姿勢が透けて見えたら、そんな営業マンを信頼し、付き合い続けようと思えるかと問うてみればいいでしょう。

このような指摘は内心は痛いところを突かれたと思うはずで、そんな、耳の痛い話をズバリと投げかけることも指導する側の役割です。私の経験上、こんな話をした以降、ガラリと事前準備への取り組みが変わった若いメンバが何人もいます。あるべき論をシンプルに投げるだけではなく、指導側が当たり前だと思っている事でも、あえてもう1つ2つ噛み砕いて丁寧に伝えれば、それが腹落ちに替わり、その腹落ちが自発的行動の原動力になる事は大事な指導のコツです。