コラム:成長意志と実現させるイメージ

 
以前、意図を持った成長というテーマでコラムをアップしました。コラム:意図を持った成長が組織を強くする(参照)。この話題にも少し関連するのですが、私は誰かと話をしている時に機会があればこんな質問をしてみます。
・この半年~1年、自分は当時と比べて成長したと思うか
・それは意図したものか、結果的なものか
・その成長度合いは自己評価として十分満足か
・その結果は周囲からも評価を受けているか

これは、「ビジネスパーソンとして」という前提の話なのですが、私が話をしている限りこれら質問への回答はあまり歯切れの良いものは返って来なくて「改めて考えると・・・・」「痛いとこつかれたなぁ」といった反応が大半です。ここでは成長の度合いというのは別にポイントではありません。人によっても時期によっても、急激に伸びる時期もあれば緩やかな時期もあります。でも、ビジネスパーソンとしてせめて半年前と比べて成長はしておきたいし、その成長の中には自分でこうなりたいという目標や意志に添う内容が含まれているべきだと考えています。若い時は、覚えることもたくさんあって必死でそれに取り組んでいたら、いろいろと成長していたということも多いでしょうし、それはそれで良い事だとも思いますが、一定のキャリアを積んだ以降やマネジメントに関わるようになってくると結果論的な成長だけでは物足りません。ちゃんと目指す成長ポイントを定められて、そこに到達できるというのは大事なスキルであり、経験です。

冒頭の質問への回答に本人としても気持ち良い言葉が出てこない人にありがちな共通点は、成長の目標はあったけれど、その為に具体的に何にどのように取り組めばそれが実現するかのイメージまで最初の段階で創れていない、仮にそれがあったとしても「継続した取り組み」として実践できていないということです。つまり逆を返せば、意図した成長を積み重ねることを実現している人はそういうことを忙しい中でもやれているということです。ここでは、「忙しくて取り組めない」という言い訳を無くす為にも「タイムマネジメント」とう要素もポイントになってくるのですが、最初に具体的行動をイメージする時点で、いかにその為に時間を確保していくかまでを考えておく。それも含めての意図した成長実現へのイメージ創りです。

20代とくに20代前半のビジネスパーソンと話をしていると、「成長意欲」を持つ人は今も多いことを実感しますし、それは本当に良い事だと思います。でも、「何の為に成長したいのか」「その為に具体的に何が必要で、今は何をやっているのか」という話にスラスラと言葉が続く人は、さほど多くはありません。せっかく意志はあるだけに勿体ない話です。そこに対しても、上司や先輩という立場の人たちが、自分たちの経験を元に良いアドバイスを送り、サポートしてあげることで若い世代のビジネスパーソンとしての成長後押しをしてあげられれば、誰にとっても良いことですし、回り回って皆さんの組織としての成長にも繋がっていくはずです。