コラム:営業予算達成するための施策立案前提

「営業施策立案スキル」

「人材育成スキル」と双璧をなす経営層の方々が現場マネジメントに物足りなさを感じている代表的なスキルが「営業施策立案スキル」です。営業施策を立案する場合、「顧客ありき」なのか「商材ありき」なのかなど、どの部分から考えるのか?という視点によってもその組み立て方は違ってきますが、今回は「売上を構成する要素から逆算する」という視点で考える営業施策立案について解説してみます。

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予算達成に対する行動計画立案の前提要素

売上の構成要素は、簡単に言えば「契約数」×「契約単価@」によって成り立っています。一発高額契約をとるのか?低額契約で数を積み重ねていくのか?が両極端にあるわけですが、多くの企業では複数の価格帯商材を扱っていると思いますので、高額案件を少々、中額案件を核に、低額案件で埋めていくというのが現実的な組み合わせでしょう。

簡単ではない予算を達成するためには、この図に示してるレベルの営業施策が立案できていなければ、安定的に予算達成をすることはできませんし、結果に対して論理的に良かったのか悪かったのかを振り返ることは難しいでしょう。もしかしたら、この図を観て細かすぎると感じる人もいるかもしれませんが、現場が望む望まないには関係なく、現実的に売上を構成している要素はこういうものなのです。ですから、業績がなかなか芳しくない状況で、この図を見た時にうちの営業施策立案レベルでコレは無理だなぁと感じられた場合、それこそが業績低迷の一因とも言えます。

さて、まず自社組織の現状を検証してみるには、この図に書かれている要素が全て書けるかを試してみてください。これがどれも曖昧な記述しかできないようであれば、それは要するに達成への明確なルートが現場に無いという事に他ならず、それで予算達成ができないのは当然と言えば当然なわけです。十分な業績結果が得られていない状況で、このような要素分解ができていない組織の現場で動いている営業行動論理は、「自分たちにできることを基準に動いている」もしくは「今までやっていたことを惰性でやっている」であり、そこに予算達成を成しえる要素・要因は含まれていません。一方でできることや、やってきたことを本当に一生懸命やっている現場もあるのですが、達成要素が不足したままの行動を繰り返しているために、頑張ってしんどい思いをしているのに、達成が見えないという非常にツライ状態になっているわけです。ですから、この図がしっかりと書けなかった場合は、まずは、安定的な予算達成に向けてこういった要素をしっかりと考えられている状態にすることが改善すべきポイントの1つだと思ってください。

各要素をしっかりと書くことができた場合は、次に中央部にある契約数と右部分にある「どのくらい」という行動量に適切な相関性があるかを確認してみてください。本当にその「どのくらい」に相当する行動量ができれば必要な契約数は確保できるのか?ということです。ちなみに、ここで「とにかく気合いで行動量で勝負!」という方針がとられている場合は要注意ですね。営業施策を立案し、指示する側からするとわからないことが多いのですが、現場の営業担当が本当にそれだけの行動量を毎月実践できるのか?疲弊してしまわないか?雑にならないか?という検証が必要です。営業施策の立案は机上の空論となってはいけません。今、実際に組織を構成する営業担当のスキルや状況を考慮して、実現・実行可能か否かという部分は必ず事前検証が心掛けてください。これが不十分な営業施策は、「売上を達成させること」ではなく、「施策を立案して上司にOKをもらうこと」が目的になってしまいがちで、結局、予算は達成できずという結果になりえます。

先にも書きましたが、もしかしたらこのような営業施策の立案は難しいと感じてしまう方もいるかもしれません。でも、良く見てください。この図にある要素は、簡単に言えば「掛け算」「足し算」の話です。つまり、落ち着いて考えればこのレベルで営業施策立案すること自体は決して難しいものでもありません。難しいとすれば、こういったことを丁寧に考えることができるか、継続的に実践できるかといった要素でしょうね。

まずは、現場管理職、マネージャーがこのような基本的な営業施策を立案できるように上司である皆さんからも要望を出し、毎月施策を考えるクセ付から始めてみてはいかがでしょうか?

もし、なかなか社内では教えられない。「どのように」の部分でアイデアが足りない。という場合は、弊社で営業施策立案スキル指導としてサポートさせて頂くこともできますので一度ご相談ください。

成果を上げる施策管理力の強化

営業力チェックシート2