コラム:部下の褒め方という育成スキル-1

 
「自分は褒められて伸びるタイプなんです」
最近、これを自分から言う人が珍しくありません。
特に、若い子は割と臆面もなく素でこれを言いがちですね。

「褒める」ということは、自ら求めるものでは無いというのが私の感覚なので、ビジネスマンが自ら褒めて欲しいと言うのには思うところもありますが、それは今はさて置おいても、マネジメントスキルとしての「褒める」が上司が身につけるべき非常に大事なスキルであるということは間違いありませんし、皆さんもここは異論ありませんよね??

ただ、大事なスキルだということはわかってはいるけど、自分はどうも褒めるのが苦手、下手なんですという声も聞こえてきます。では、「褒める」のが上手いとはどういうことろで差がつくのでしょうか?ノウハウ本に部下を褒めるべし!と書いてあったからといって、部下が結果を出した時や自分の目についた時に手当たり次第に「いいね!」「でかした!」と褒める程度で、自分はちゃんと部下を褒めていると思っていてはいけません。それこそ、その程度は上司では無くても、先輩や同僚で十分まかなえます。上手い褒め方のコツは「ポイント」と「タイミング」にあります。

まず「褒めるポイント」について

部下を【褒める】ということは基本的にはモチベーションに繋がるので、マネジメントをする人は、積極的に部下を褒めると良いと思いますが先ほど書いたように何でもかんでも褒めればいいというものではありません。

・「とりあえず褒めた感」がありあり
・いつも同じ言葉で褒められる
・自分がたいして拘ってないポイントだけを褒められる

どうですか。こんな褒められ方って、あまり喜べませんよね。下手すると、適当なことを言う上司とマイナスな感情の種を蒔きかねません。

先日も、とある若いビジネスマンがこぼしていました。

「今の上司は、結果に対して一緒に喜んでもくれるし、褒めてもくれます。でも、褒め方が一辺倒だし、拘っていた部分にはあまり気づいてくれないので、正直、微妙なんですよね。逆に気を遣っちゃいます。。。」

でも、その上司に部下を褒めているか聞けば、きっとこう言うでしょう。

「最近、メンバを褒めるように心掛けて、良く声をかけています。メンバと一緒に喜べるっていいですよね」

上司にも悪気はないのに、なんとも勿体無い話です。このようなすれ違いを生じさせないためにも、褒めるときには、極力具体的であることが重要です。つまり、どのポイントを褒めるのかということです。月の予算を達成した「結果」だけを褒めるのではなく、その過程の具体的な行動やプロセスも引き合いに出して褒める。すると、受け手側からすると自分の努力過程も見ていてくれたということで、「結果」だけへの賞賛以上の嬉しさや充実感を得てもらうことができやすい。仮に本人が気にはしていなかったポイントでも、上司が重要だったと思うのであれば、それを具体的に伝えるのもいいでしょう。

「君は、何気なくやっていたのだろうけど、あれは誰にでもできることではないし、
あれをやりきったから、今回の良い結果にも繋がったんだ」

とこんな言い方をしてあげるといいかもしれませんね。

皆さんも、自分が上司にどういう褒められ方をしたら、嬉しかったり、特別褒めてもらえた感を感じられるか想像してみてもらえば「具体的である」とはどういう感じかイメージは掴んで頂けると思います。このように、「何について褒めるか」というポイントを、一歩二歩踏み込んで具体的にすることで部下への伝わり方は随分変わりますので、是非、意識をしてみてください。

今回は少し長くなったので、【褒めるタイミング】は、また次回に。

ところで、「褒める」って、どうして多い少ないで語られるんでしょうね。。。

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