コラム:信頼してくれる上司の存在

 
皆さんは、海外サッカーにご興味をお持ちでしょうか?

あまり詳しくない方でも先日ニュースにもなったのでご存知かもしれませんが、日本サッカー代表の香川真司選手が、イングランドのビッグクラブであるマンチェスター・ユナイテッドから古巣であるドイツのドルトムントへ電撃移籍をしました。イングランドでの選手生活は香川選手とってもかなり厳しい経験でなかなか満足に試合にでることもできず苦しんでいたのですが、古巣であるドイツに戻って最初の試合では早くも得点をあげ大活躍をしました。そのイキイキとした表情と躍動する姿は、数週間前のマンチェスターでの彼とは別人でした。

何故、香川選手は、そこまでガラリと変わったのか?移籍前に極秘トレーニングを積んでいた?違います。移籍直前と直後で、彼自身のサッカー選手としての能力はほとんど同じはずです。では、何が彼を変えたのかというと、サッカー好きの人は御存知の通り、一番は監督からの信頼でしょう。イングランドのチームでは、監督から厚い信頼を受けることはほとんどなく、いくらでも替えの効く選手の一人にすぎない扱い、もしかしたらそれ以下の扱いだったかもしれません。しかし、ドイツでの監督は香川選手の選手としての能力も人格もとても信頼をしていることで有名で、それはかつて一度チームから移籍して離れてしまっても揺らぐことがなく、今回の復帰も心から暖かく迎えてくれたのです。もちろん、チームの戦力になるという前提はあってです。

何故この話題をこのコラムで取り上げたかは、もうタイトルも含めお分かりでしょう。部下にとって信頼してくれる上司の存在は非常に大きなものです。これは「私は部下を信頼している!」という上司の言い分ではなく、部下が「自分は上司に信頼されている」と実感できているかどうかという視点で語らなくてはなりませんが、上司の信頼を実感できている部下は、伸び伸びと動きやすくなりますし、上司の信頼に応えたいという気持ちも働くことで持てる能力をより高いレベルで発揮しやすくなります。このように、部下が上司の信頼を実感できる状態になるには、その前段階でまず上司が部下を信頼してなくはいけませんし、上司として部下が信頼できると思えるにはその根拠が必要です。その為にもまずは、信頼できるだけの可能性や能力を自分の部下の中に見出すアプローチと努力が上司には必要となります。全てはそこから始まるのです。

皆さんは上司として部下を信頼していますか?
そして、部下はそれを実感してくれているでしょうか?
これは、たぶんそう想うではなく、一度直接聴いてみることをオススメします。