コラム:1on1ミーティング成功の鍵-1

 

最近、人材育成や組織創り、マネジメントに関するビジネス系の記事や情報で「1on1ミーティング」というワードをよく目にするようになりました。別段目新しい手法ではないのですが、ここに来て注目度が上がっていると感じます。

まず大前提として、私も「1on1ミーティング」人材育成や組織創りに関するマネジメントとして、非常に有効かつ重要な手法だと考えています。自分の経験上でも、仕事柄多くの組織を観てきた実感としても、人材育成や組織創りが上手くいっていない、苦労しているという組織に圧倒的に足りないのは、上司と部下の信頼関係に基づいた良質なコミュニケーションだというのが私の分析です。ですから、管理職が小難しいマネジメント理論やスキルを習得しなくても、まずは上司と部下の信頼関係に基づいた良質なコミュニケーションをしっかりと確保するだけでも、人材育成や組織創りが上手く滑り出す組織は結構あるはずなのです。

その意味では、世の中で人材育成や組織創り、マネジメントの有効な手法として「1on1ミーティング」が注目されてきていることは歓迎すべき流れだと思っています。ただ、冒頭に書いたような「人材育成や組織創り、マネジメント「1on1ミーティング」は有効である」と書いているビジネス系の記事や情報を読んでいて少し気になるのは、元々部下とのコミュニケーションが上手く取れていなかったり、苦手な管理職の人達はこの文章を読んで、実践イメージがもてるのだろうか?ということです。書いてあることなどは、きっと一定の理解はされると思います。でも、読みながら「書いてることはわかるけど、いざやれと言われるといろいろ難しいよなぁ」と思ってる管理職が結構いるのではないかなと思うのです。皆さん、いかがですか?

管理職の方と人材育成や組織創りについて話をしている時に、上司と部下の信頼関係に基づいた良質なコミュニケーションについてお伝えすることも多いのですが、各種ハランスメントに敏感になり過ぎて部下との一歩踏み込んたコミュニケーションに躊躇しがちだったり、部下の反応が薄いとそれ以上のコミュニケーションをあきらめてしまうという悩みや嘆きを耳にすることは決して少なくありません。そういう方にとって、巷に流れている「人材育成や組織創り、マネジメント「1on1ミーティング」は有効である」という情報は、典型的な「頭ではわかるけど、実践がなかなか進まない手法」なのだと思います。

では、そういう方はどうすれば良いか?少しそもそもの考え方を整理してみましょう。人材育成や組織創り、マネジメントに有効な「1on1ミーティング」を実践する上で大事な基礎となるのは、上司と部下の信頼関係があるかということです。先に書いたような管理職が抱くハランスメントリスク。世の中でハランスメントと言われているものの中には、上司と部下の信頼関係の有無がハランスメントと言われてしまうか、そうはならないかを分けるケースが少なくありません。簡単なところでは、厳しい指導をした時に部下が「自分の為に言ってくれているのだ」と思うか「パワハラを受けた」と思うかなどは、まさに上司と部下の信頼関係が有るか無いかによって判定が分かれやすい例ですね。また、部下が「この上司には本音や不安を伝えても大丈夫」と思えるか否かも、そこに上司と部下の信頼関係が有るか無いかにかなり左右されます。考えてみてください。良い関係が出来ていない上司と1対1のミーティングなんて決して嬉しいものではありませんよね?本音での考えや意見などやり取りできる可能性は低く、上辺だけの中身のないやりとりに終始して、多少の情報は出しながらもとりあえずその時間をやり過ごすことが目的の場になってしまうケースだってあるかもしれません。そんな場で「1on1ミーティング」で本来期待される質の高いコミュニケーションなんてとても期待できません。だからこそ、「人材育成や組織創り、マネジメントに有効な「1on1ミーティング」を実践するには、上司と部下の信頼関係が出来ている状態にあることが非常に大事なのです。それがあるからこそ、上司も部下に対して一歩踏み込んだコミュニケーションとることに躊躇や不安もも無くなるし、お互いの言葉に耳を傾けあい、より本音に寄った良いコミュニケーションを成立させる下地をつくる事にも可能になります。

つまり、人材育成や組織創り、マネジメントに有効な「1on1ミーティング」を成功させる鍵は、上司と部下の信頼関係をしっかりと創り上げられているか否かであり、様々な記事で提案されているような「1on1ミーティング」でどんなポイントについて話し合うかは、その次のステップです。

上司と部下の信頼関係にを創り上げる為に何に取り組んでいけば良いかは、後半の「コラム:1on1ミーティング成功の鍵-2」でお伝えしていきます。

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