コラム:部下に仕事を任せるコツ

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人材育成において部下を成長させる機会の1つに「部下に仕事任せる」ということがありますが、経験の浅い管理職ほど顕著ですが、この「仕事を任せる」をなかなかやりきれないという上司の方は結構おられますね。本当は部下に任せて自分は他の仕事をやりたいけれど、なかなか踏み出せない理由はいろいろと言い分が出てくるのですが、要約すれば「任せられる人材が育っていない」「自分でやってしまうほうが早いから」あたりが、代表的なもののようです。

そこで「では、いつになれば?」「では、どうすれば?」という質問を続けると答えに窮したり、苦笑いされたりという人が多いのですが、答えが出てくるまで少し待った後に導き出される答えは「結局やらせていくしかないんですよね・・・」というものが大半です。つまり「仕事をうまく任せることができない」と嘆く一方で、上司の中では解決するために必要な一定の答えはでているのです。ある程度、任せなければいつまでたってもデキるようにはならないし、そもそも本当にデキないのかを実際に確かめることもできません。

では、その思い切って仕事を任せてみる一歩を踏み出すためのコツとは何か。

部下に仕事任せられない管理職と話しを深めると、上手くできないのではないか?という「漠然とした」不安が捨てきれないということが多々あります。しかし、その不安はどこから来るのか?仕事を進めさせる上でどの点が心配なのか?と対話を進めていくと、実は引っかかることは1~2カ所くらいしかないというケースがほとんどなのです。つまり、上司自身が部下に仕事を任せることをそこまで思考を深めていないが故に漠然とした不安がぬぐえず一歩踏み出せないだけで、思考を深めて懸念点が明確になり、そこに対する対策案さえ考えることができれば、「部下に仕事を任せる」という一歩は軽くなるのです。

ですから、まずは部下に任せるその仕事を進めるうえでの一通りの段取りを上司が一度整理してみることから始めてみてください。そして、その過程のどこに上司である自分は不安感じているのかを検証し、対応策を考える(準備する)のです。どの過程で報告をさせれば(進捗チェックすれば)よいか、どんな資料準備を指示すればよいか、どこのクオリティチェックを重視すればよいか。これだけでも、部下に仕事任せて進めさせるイメージが膨らんでくるはずです。

あと、仕事を部下に任せる、特にまだ不安を抱えながら任せるような場合、間違ってはいけないのは「仕事を任せる」が「仕事の丸投げ」にならようにすることです。一切手を出さない本当の丸投げになるケースは無いにしても、上司が忙しくて気が回らず、結果的にそれに近い状態になってしうことはある話です。

先日、部下に仕事をうまく任せられないという相談を受けた時に、「部下に仕事を任せる時の上司の心持ちは、イメージとしてはテレビ番組の【はじめておつかい】のようなものですよ」とお伝えしたところ「物凄くわかりやすい!」と仰ってました。親御さんの「大丈夫かな、わが子にもできるだろうか?でも、新しい経験をさせて、ひとまわり成長させてあげたい」という想いや、上手くできるように、家を出て目的を果たして帰るまでに起こりえることを考えて事前に気を付けるように話してあげたり、スタッフの人が見守り続け、時にはそっと手を差し伸べる環境を整えつつ、でも決して全部は助けずあくまでもサポートしながら見守ることなどがそれです。部下に仕事を任せるのは、程度の差は相手によって差はあるにしても、こんな環境を整える意識もポイントだと思います。逆に、任せる以上自分はあまり手を掛けずに済ませてしまう前提が無意識にあるから、難しそうに感じてしまうし、なかなか一歩踏み出せないのではない側面もあるのではないでしょうか。

最後に。

言うまでもないことですが、任される仕事ができるという確証や自信が任すほうにも任されるほうにも無い中で「仕事を任される」という事実は、部下にとって上司に信頼、期待してもらっているという勇気となり、その仕事が上司のサポートのもとでも自分主体でやれたとなれば、それは成長の手応えであり、自信となり部下の力へとつながります。そのような成長機会を部下に提供できるのは、ある意味、上司にしかできないことだということも忘れないでください。

 【組織営業総研】 代 表:御 供 田 省 吾
組織営業総研 代表 御供田省吾 営業力強化 人材育成コンサルタント 管理職育成、営業力強化、人材育成コンサルタント。 元(株)キーエンス エリア営業責任者~HOME'S営業Unit長。延べ数百名をマネジメントしてきた豊富な現場経験を元にしたノウハウで経営者と管理職、若手の気持ちがわかるコンサルタントとして企業を支援中。詳細はコチラ。

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