コラム:適切に報連相を機能させる-1

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部下を育て、組織のパフォーマンスを上げるためには「必要な時に部下が上司に適切に報連相できる環境」を整えられているかというのは、組織マネジメントにおいて大事な要素の1つであることは管理職や管理職経験のある方なら異論はないと思います。では、そのためにあなたは管理職者としてどんなことをしていますか?と質問した際に返ってくる回答の代表的なものが

・自分から声を掛けるようにしている
・何かあれば相談に来るよう日頃から伝えている

の2つが圧倒的に多いと感じています。
ところが「その成果としてあなたの組織では部下からの報連相は適切に行われていますか?」と質問を続けると、「問題ありませんね」と断言できる人はそう多くはありません。皆さんはいかがですか?
部下からちゃんと報連相が上がってくるように手は打っているのに、上司としてその成果が十分に得られていない、つまり報連相がうまく吸い上げられていないと感じているケースが少なくない理由はどこにあるのか?報連相する側の部下に状況をヒアリングした時に見えてくるのは

1-相談して良いタイミングがわかりにくい
2-いつも忙しそうで相談しにくい
3-何をどう相談すればいいかわからない

という本音です。先にあげた上司が意識している「部下に声を掛けるようにしている」という場合、ちょうどそのタイミングで相談事があれば相談もするでしょうが、確率的には上司の声掛けと部下の相談したいタイミングがバッチリ合うことのほうが少ないでしょう。上司の言い分としては「相談してもOKと伝えているのだから、声を掛ければよいだろう」というものがあると思いますが、それは結局上司側の視点であって、部下からすれば「そうは言っても・・・」という言い分があることが多いのは間違いありません。Thumbnail41
代表的なところで言えば、部下が上司に相談しようとした場合、先ほども書いたような「相談してよいタイミングがわかりにくい」「いつも忙しそうで相談しにくい」という感覚があるので、まず「今、上司は相談を持ちかけて良い状態なのか?」という空気を読む必要が毎回生じます。今の20代を中心とした若手世代は、相手の空気を読んだりするのが苦手(もしくは下手)だという上司側の意見も良く耳にする昨今、まずは上司の空気を読まなくてはいけないというハードルが報連相が適切に実践されていないという実態の原因の1つとなっていることは間違いないでしょう。

では、部下の側の視点で考える組織内で報連相が上手く機能していない原因の「相談して良いタイミングがわかりにくい」「いつも忙しそうで相談しにくい」を解消するために打てる他の+1の打ち手は何があるか?

私がオススメするのは、毎日特定の時間帯に「報連相タイム」を設定することです。例えば、毎日夕方の18:00~18:30は必ず報連相を受け付けるという上司と部下のルールを設定し、仮にその時間に上司が作業をしていても相談があれば手を止めて話を聞くし、何より、部下は上司の空気を読まず相談を持ちかけてOKという状態を確保します。もちろん、このルールは部下としっかりと共有しなくてはいけませんよ。

【報連相タイム】
・〇:〇〇~〇:〇〇の時間帯は報連相を最優先で受け付ける
・基本この時間内は、上司が作業をしていても割り込んでOK

 簡単に整理すればたったこれだけのことですが、部下の報連相に踏み出す心理的ハードルである「タイミングを計る」「上司の空気を読む」から解放してあげることになるので、ちょっとしたことですが侮れない効果があります。また、このルールを実践する場合、開始当初は、上司側が自分の気持ちの中で「報連相タイムになったから、今から30分は話を聞くモードにするぞ」と気持ちのスイッチをいれて自席で待ち構えているだけではダメです。「じゃ、時間になったから今からは報連相タイムだ。今日は誰かあるか?」という声掛けをしばらく続けるべきでしょう。一つ下の管理者に「君のところの若手は特に今日は何もないか?」というワンモアの声掛けも良いと思います。部下からすると「本当に、この時間帯は無条件に相談に行っても良いのかな?」という疑心暗鬼な部分もありますし、ルールに慣れていなければ「上司が相談タイムを設けてくれてることを忘れている」というケースもあります。私が実践していた時には当初実際にそういう声がありました。だから、組織内で定着するまでは上司の声掛けを行うほうが良いのです。
言うまでもありませんが【組織の原則ルールは報連相はあるべき適切なタイミングで行うこと】というマネジメントは必須です。ですから、今回のアプローチ提案は、それでもうまく行動できない部下への救済ルールですね。この救済ルールの中で、目指すのは徐々に「報連相タイム」のような時間を設けなくても上司と部下がお互いに報連相をしやすい関係、風土を再構築することですから、段階的に無くしていけるようになるのがベストです。

いつものようにまた少し長くなってしまったので前半であげた、部下の視点から観る「報連相がうまくできない理由」の「3-何をどう相談すればいいかわからない」については、後編の「コラム:適切に報連相を機能させる-2」で解説します。

 【組織営業総研】 代 表:御 供 田 省 吾
組織営業総研 代表 御供田省吾 営業力強化 人材育成コンサルタント 管理職育成、営業力強化、人材育成コンサルタント。 元(株)キーエンス エリア営業責任者~HOME'S営業Unit長。延べ数百名をマネジメントしてきた豊富な現場経験を元にしたノウハウで経営者と管理職、若手の気持ちがわかるコンサルタントとして企業を支援中。詳細はコチラ。

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