コラム:【売れる営業】への指導-2

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前回、コラム/営業力強化:【売れる営業】への指導-1(←LINK)では売れる営業となるためには、商談において「自社商品の【特徴】で終わらず、相手の【利益】に言及すること」が大事だという事を書きました。

では、この「相手(顧客)の【利益】に言及すること」つまり相手の【利益】とは何でしょうか。

営業現場で考えるべき【顧客の利益】はシンプルに定義すれば
 ■ 困りごとが解決すること
 ■ 改善したい事案が解決すること
ということになります。

先のコラムにも書きましたが、顧客が商品やサービスを契約するのは、これらの利益を得られると感じる、もしく期待が見込めるからです。仮に残予算消化による発注であったとしても、企業の予算は意味のないものには投資されません。必然、商談では顧客の「困りごと」「改善したいこと」を、ヒアリングにより聞き出さなくてはいけないのですが、マネジメント現場では、ここのレベル上げが最も苦労する部分ではないでしょうか。

一通り商品の【特徴】説明をして「どこか使えませんか?」、顔出し訪問ついでに「何か困ってませんか?」こんな漠然としたアプローチで商談ネタを拾えるのはラッキーなだけで、これだけでは、営業スキルもさほど上がらなければ、業績も伸びる期待は持てません。

では、顧客の困り事、要改善事案をうまく聞き出すスキルを確実にあげる為にすべき事は何があるでしょう。

その大前提は「勉強する事」なのです。

当たり前過ぎると思われますか?

顧客とのやり取りでこれらをヒアリングするにあたり、「うちの商品、サービスがどこか使えませんか?」「何か困ってますか?」では、引き出せないニーズを導くために、効果的なツールはいわゆる「アテ」です。「何か使えませんか?」という漠然とした投げかけから、「同業他社では、こんな困り事にご利用ですが、御社はいかがですか?」「△△さんのような業務の方が、最近●●●●の改善でご利用ですがどうですか?」といった具体的なところに絞ってアプローチをすることで、聞かれた側は、考えやすくなります。つまり、何かに思い当たる確率があがります。

皆さんも逆の立場で考えてみてください。とりあえず「何か困ってることに使えませんか?」と聞かれるのと、具体的な事例を上げながら似たような困りごとはないか聞かれるのでは、どちらが思考が発展しやすいですか?仮に、結局、今すぐには思い当たらずとも、後日何か該当しそうな案件が出た時に、どちらのアプローチを受けていた方が、思い出される確率が高いでしょうか?多くのケースはどちらも後者のはずです。

また、具体的な問いかけの方が、漠然としたケースよりも、「それは無いけれど、そう言えばこんな事はあったな・・・」と思考が広がる可能性も高くなります。つまり「アテ」によるアプローチネタは必ずしも相手にピッタリである必要はありません。あくまでも、商談の場において顧客の思考のキッカケとなればそれでいいのです。

では、この「アテ」の源泉は何か?

それは、顧客の業界事情、職種事情、会社個別の事情、担当者の個別事情といった【顧客にかかわる情報(事情)】です。営業成績の良い営業というのは例外なくこれらの情報をよく知っています。知っているからこそ、顧客の困り事へのアンテナも高くなるし、自らの商品やサービスが顧客の役に立ちそうなポイントもより具体的にわかるのです。ヒアリングスキルが低い営業は、総じて顧客に対する勉強不足の傾向が顕著です。知らないから、漠然としか話せない。知らないから、会話も続かず、教えてももらえない。ですから「勉強する事」が大事なのです。

マネジメント視点からいけば「勉強を習慣づけさせる事」ですね。営業のヒアリングスキルを上げたいと思われる方、どれだけ部下に勉強する事を課していますか?どれだけご自身が教えておられますか?勉強するように指示をするだけで動くのは意識の高い人だけです。そんな人は、ある意味指導対象ではありません。上司が、ちゃんと日常的に勉強するように指示をしても、多くの現場は、忙しいことを理由に勉強する事を後回しにしがちです。これを回避するためには、上司が仕切りしっかりと勉強する環境を整備しましょう。勉強会、発表会、情報交換会、もしくはテスト。なんでも構いません。大事なのは勉強はしなくてはいけないという現場での意識付けと、それを実行させる打ち手を上司として実行することです。「自分たちの現役の頃は、もっと勉強していた」と小言を言うだけでは解決しません。また、現場が忙しくて時間が取れないというのが客観的事実ならば、優先度を考慮して、業務を減らしてあげることも必要です。現場が疲弊する要因の1つは上司の足し算オンリーのタスク下しであり、こうやってタスクの引き算とセットで手を打つことで勉強しない事への言い訳を、抑制することもできます。

最後に注意したいのは、勉強する内容が現場で使えるようにすることです。顧客のマーケットが今後何%拡大推移するかというマクロな話も結構ですが、日常商談ではもっとミクロな話が商談のキッカケになります。どんな内容を勉強するかは、ご自身が顧客と会話するには必要と思う情報を、部下がどれくらい知っているかを確認すれば見えてくるはずです。

もちろん、ヒアリングのテクニックというものはあります。しかし、これらの勉強が不足している中でそれらを身に付けても、それは小手先のものにしかすぎません。まずは、部下に日常的な勉強を習慣づけることが、結果的に営業力の強化にも繋がるのです。

 【組織営業総研】 代 表:御 供 田 省 吾
組織営業総研 代表 御供田省吾 営業力強化 人材育成コンサルタント 管理職育成、営業力強化、人材育成コンサルタント。 元(株)キーエンス エリア営業責任者~HOME'S営業Unit長。延べ数百名をマネジメントしてきた豊富な現場経験を元にしたノウハウで経営者と管理職、若手の気持ちがわかるコンサルタントとして企業を支援中。詳細はコチラ。

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